妻とお腹の第二子を交通事故で亡くした。タクシーに乗っていた妻と子どもが居眠り運転のトラックと激突し即死だった。警察からの連絡に冗談かと思ったが、現実として受け止められなかった。トラック運転手の父親と婚約者が土下座し、人生を許してほしいと願ってきた。彼らに罵って殴り返したい思いもあったが、彼らもまた苦しみを背負っている人間であると気づき、憎むことができなかった。妻の葬儀にトラック運転手が参列し、彼と向き合うことができた。息子に妻の思い出を語り流し涙を流し、家族として一生懸命な背中を見せることを決意した。トラック運転手からの手紙には、謝罪とともに苦しみが伝わってくる。彼の婚約者からの金も新しい口座に預け、彼が出所したら通帳を渡すつもりだ。私たち親子もまた大事な家族を失った事実を背負って生きていく。家内が安心できるように、二人で頑張るつもりでいる。